7月3日(水)より20年ぶりに新紙幣が発行となりましたが、皆さんはもうご覧になりましたか。新1万円札の肖像となった実業家「渋沢栄一」氏は、十和田市の開墾事業をリードする「渋沢農場」を開設し、戦時中は同市に子孫が疎開するなど青森県に深い縁を持つ人物でありますが、今回は「称徳館(しょうとくかん)」との関係について紹介したいと思います。
称徳館の前身は岩手県盛岡市にあった「稱徳館」です。稱徳館は江戸時代から続く商家「糸治(いとじ)」中村家の「中村七三」氏と父「治兵衛(じへえ)」氏の親子二代で集めた馬事資料を後世に残すため1978年に開館しました。その所蔵資料は2000年に十和田市へ継承され、現在当館が展示・収蔵を行っています。
中村治兵衛氏と渋沢氏は親交があったことから1929年頃、称徳館の名前の由来となった孔子(こうし)の論語(ろんご)の中の「憲問(けんもん)」の一節から「子曰、驥不稱其力、稱其德也。」(しいわく、きはそのちからをしょうせず、そのとくをしょうするなり。)を書かれました。渋沢氏が亡くなる2年前(89歳の時)に書いた大変、貴重な書となります。エントランスにて展示しておりますのでぜひ一度、実物を見にいらしてください。
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